クローン病は今のところ完治することはできません。しかし解緩の時期を長く保つためのコントロールをすることができます。再燃した場合、クローン病の治療は栄養療法、薬物療法を中心に必要に応じて外科療法(手術)を組み合わせて行います。

クローン病の治療は、できるだけ早く緩解に導入し、緩解を維持することを目指します。症状や栄養状態を改善し、腸の炎症をおさえ、再発・再燃を予防することが基本です。
腸管に狭窄や瘻孔がある場合に行われます。輸液を行うと腸管の中を全く食物が通過しないため、完全に安静が保たれます。
中心静脈にカテーテルを設置し、24時間持続して点滴を行います。主に入院中に行いますが、在宅で行う方もいらっしゃいます。
成分栄養剤を中心に、状態のよいときには低残渣食を組み合わせてクローン病の解緩期を保っていこうとする治療法です。
現在、クローン病に対する栄養療法の有効性についてはほぼ確立されており、極度に悪い患者さんや腸管狭窄の患者さんを除けば解緩導入はほぼ100%可能と考えられています。
重篤な副作用もきたしません。
症状や炎症の程度によってステロイド、5-ASA、免疫抑制剤、抗TNFα抗体などを単独または何剤か組み合わせて使用します。
強い抗炎症作用がありますが、様々な副作用が現れることがあり、必ず医師の指示のもと使用します。
サラゾピリン(R)やペンタサ(R)です。似た薬ですが、患者の症状によりいずれかが適宜処方されます。比較的炎症が軽い患者さんに使われます。
※管理人はペンタサ(R)を使用しています。
異常に高まった免疫を抑制するために用いられます。ステロイドが効かない、離脱が困難な患者さんに用いられます。
抗TNFα抗体療法は比較的新しい治療法で、薬剤名をレミケード(R)といいます。
栄養療法や薬物療法でコントロールできない場合の治療手段です。以前はよく行われていましたが、数々の症例を経るにつれて数年内に再発するケースが多いことがわかり始め、現在では栄養療法や薬物療法で管理できない症状だけにしか用いられません。
症状に合わせて選択され、行います。

※これは管理人の手術痕です。腸管切除・狭窄形成術合わせてを4回行いました。
血球成分除去療法は「体外循環治療」という治療法の一種で、血液を体外に取り出し、血液中の病気の原因となっている白血球を取り除く治療法です。
一方の肘または大腿などの静脈から血液を体外に取り出し、フィルターで活性化した白血球(リンパ球・単球・顆粒球)を除去し、浄化された血液を反対側の静脈へ戻すします。薬物療法のみでコントロールできない患者に対して行われます。
各治療方法の効果の比較を示した表です。
| 治療方法 | 効果度合い (クローン病) |
効果度合い (潰瘍性大腸炎) (比較として) |
|---|---|---|
| 輸液 | ++ | ++ |
| 栄養療法 | ++ | ++ |
| ステロイド | + | ++ |
| 5-ASA | + | ++ |
| 免疫抑制剤 | ±〜+ | + |
| 抗TNFα抗体療法 | +〜++ | ++ |
| 白血球除去療法 | ± | + |
このように、潰瘍性大腸炎と比べてやや治療が難しいといえます。治療の効果は症状によって異なります。